現在の大学入試では、小論文を課している大学が、国公立・私立を問わず多数あり、今後とも増える傾向にあります。なぜ、これらの大学は入試に小論文を課しているのでしょうか。
 この問題を二つの視点から分析します。

T 日本社会の構造の変化という視点から

 日本社会は、高度成長期からバブル経済の崩壊を経て、現在は先の見えない状況です。従来、大学入試というものは、学力テスト(ここで「学力テスト」とは英語・数学・国語などの小論文以外のテストを指す)で合否を決定すれば、入学試験として充分にその役目を果たしていました。
 なぜならば、日本社会全体が「言われたことに対してまじめに対処できる人間」を求めていたからであり、社会に人材を供給する大学もおのずとその枠組みでしか存在できないからです。
 しかし、現代の入試はそれだけでは対応できなくなっています。つまり、社会全体が「自分の頭で考えて行動できる人間」を必要としてきており、大学もそのような人間を必要とするように変化している、ということです。
 単なる学力テストと違い、小論文では、あなた自身の問題意識が問われます。すなわち、自分の視点で問題を発見する能力、そしてその問題を自分なりに解決する能力が必要とされているのです。
 このような能力を持った人物が各界の指導的立場で活躍することにより、現代社会の先の見えない状況を打開することが願われています。

U 学問の動向という視点から

 現在の学問は、地球環境問題やバイオテクノロジーの問題など、一分野の学問では対処できない領域が増え、学際的、多角的な観点が求められています。
 例えば、医学部では医学に関する基礎知識と共に、生命倫理的観点を持っているかどうかが問われます。また、理工学部系では自然科学の基礎知識と共に科学論的観点(科学のあり方、役割、弊害などを考察する)も必要とされます。更に、慶應義塾大学法学部では、社会科学の基礎知識と共に、思想的・哲学的観点も求められます。
 このように複数の学問に亘る問題意識を試験するためには、小論文のような論述的な試験しか、今のところその能力を測る方法がない、といえるでしょう。
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